底面式フィルターとは
底面式フィルターとは、底に敷いた低床(ソイルや砂利)を濾過材として使う仕組みのフィルターです。
底面式フィルターの構造は、プラスチック製のすのこ状の物から煙突が生えたような形をしています。
水中に沈めて煙突の内部でエアレーション(ブクブク)をすると、すのこ部分から吸水して煙突上部から排水する仕組みになっています。
これのどこがフィルターなんだと思いますが、すのこ部分の上に低床を敷き広げることで低床自体が濾過材となり濾過をしてくれるという仕組みになっています。
底面式フィルター + 低床 → セットで濾過器になる
底面式フィルターだけを買っても、水が回るだけで意味がないので注意しましょう。
底面式フィルターのメリット
濾過能力が高い
低床が全て濾材となるので、使う水槽全体がフィルターとなり濾過能力が高いです。
主にバクテリアによる生物濾過が強力で、底面式フィルターは生物濾過のために作られていると言えます。
酸素供給が十分
エアーポンプを使うため空気が水に溶け込むので、酸素供給が十分に行われます。
水中ポンプ、投げ込み式フィルター、水中フィルターで運用する場合はエアレーションという意味では酸素供給が少なくなりますが、エアーポンプで運用するより水流が強くなるので、水面をうまく揺らすことで酸素供給は行われます。
水流が底全体に起こる
底面式フィルターが敷かれている底全体に水流が起こるので、底全体に酸素供給が行われます。
そのため、好気性バクテリアが繁殖しやすい環境となり、生物濾過が行われやすい環境になります。
水流が緩やか
エアレーションで運用する場合、エアーリフト式で水流を作ることになります。
ポンプなど電動で水流を作るよりも弱い流れになるので、緩やかな流れを起こすことが出来ます。
水流が苦手な魚を飼育するのに向いています。
安い!(本体は)
他の種類のフィルターと比べると、とにかく安いです!
安い理由としては底面式フィルターの一式は、底に敷くプラスチックの網々のやつとパイプ部分だけで、駆動部分が含まれていないからです。
エアーポンプやモーターは別売りなので、そこだけ注意しましょう。
稚魚などが吸い込まれない
多くのフィルターで起こりやすいのが、稚魚や稚エビの吸い込み事故です。
泳ぎがまだ上手くない稚魚は、外部フィルター等の吸水口部分に吸い込まれて死んでしまうことが多いです。
しかし底面式フィルターは吸水部分は低床なので、吸い込まれることは、まずありません。
また水流が穏やかなので稚魚に優しい環境ですし、稚魚だけでなくベタなど泳ぎが苦手な生体の飼育に向いています。
The コンパクト
底面式フィルターは水槽内で完結するので設備的にコンパクトに収まります。(エアーポンプ等は必要ですけど…汗)
コンパクトゆえ、ごちゃごちゃした配管などもないので水槽のガラス面のメンテナンスがしやすいです。
低床についても水換え用のポンプでゴミを吸いつつ、水換えもやってしまえます。
他のフィルターと組み合わせ可能
底面式フィルターは他のフィルターと組み合わせて使うことが出来ます。
+外部式フィルター
+上部式フィルター
+外掛け式フィルター
+投げ込み式フィルター
組み合わせることにより濾過能力をアップ出来ます。
また、私はやったことないんですが、吸水口と吐出口を逆の流れにして「噴き上げ式フィルター」という使い方も出来るみたいです。
いや〜、奥が深い。
水質が安定する
底面式フィルターは低床全体に水流があるので、低床の目詰まりを定期的に掃除すれば、水質がかなり安定します。
掃除は週に1〜2回、同時に水換えも行えば間違いないです。
ソイルを使う場合は掃除がしにくいかもしれませんが、ソイルの隙間に詰まった魚のフンなどを頑張って吸い取るようにしたいところです。
水漏れ事故が少ない
底面式フィルターは水槽内で完結する濾過システムですので、水漏れ事故がほぼないです。
ほぼというのは、エアーポンプとつながっているエアーチューブが外れてしまった場合、そこから水漏れが発生してしまうことがあります。
万一外れてしまった時のために「逆流防止弁」を必ず取り付けるようしましょう。
備えあれば憂なしです!
底面式フィルターのデメリット
水草水槽は不向き
底面式フィルターは低床内にフィルターがあるので、水草を植えると根がフィルター内に侵入してきます。
そうすると水の流れが悪くなり、濾過機能がうまく働かなくなってしまいます。
また、低床内に水草の栄養となる有機物が溜まりにくい構造でもあるので、水草の育成には不向きだと言えます。
水草を育てたい場合は、石や流木に活着するタイプの水草をメインにして、肥料は液肥をメインにした方が良いです。
掃除の際、レイアウトがくずれる
低床の隙間に詰まったゴミを定期的に掃除する必要があります。
掃除がめんどくさい
低床を砂利にしているなら、掃除用のポンプで詰まったゴミを掃除すれば簡単です。
しかしソイルを敷いている場合、砂利と同じやり方で掃除するとソイルが崩れて逆に水が濁ってしまうこともあります。
ソイルの場合は慎重にメンテナンスしましょう。
また底面式は、稼働し始めたら途中でフィルター本体を洗うことが出来ません。
低床に埋めたフィルターを取り出すことはできますが、また戻すには低床を一度取り出さなければなりません。
本体を洗う場合はパイプ部分だけを洗うようにしましょう。
低床の種類が限られる
低床に敷く素材は、なるべく大きめの目が粗めの種類のものを選ぶ必要があります。
目が細かすぎるものを使うと水流が起こらず、濾過機能が機能しなくなるからです。
粒と粒の間に隙間が出来るような大きさのものを選びましょう。
おすすめの素材は「粗めの砂利」「粗めのソイル」などです。
向いていない素材は「砂のような細かいもの」「パウダータイプのソイル」などです。
水流が弱い
メリットに水流が穏やかとも書きましたが、逆に弱すぎる所がデメリットでもあります。
水流が弱いことで、全体に流れが行き届かない場合もあり、そういう場所ではゴミが溜まりやすく、コケも生えやすくなってしまいます。
水槽を観察してそういった汚れやすい場所はこまめにメンテナンスしましょう。
大型水槽には不向き
大型水槽を、底面式フィルターのみの使用でエアーポンプで運用するのはオススメしません。
基本的に底面式フィルターは小〜中型水槽向けです。
大型の水槽となると、濾過能力や水流の不足で十分な濾過効果が得られない可能性が高いです。
しかしこれはあくまでエアーポンプで運用する場合で、水中ポンプで運用したり、他のフィルターと組み合わせることで、濾過能力を補強して運用することはオススメです。
底面式フィルターの掃除方法
低床の詰まりを取る+水換え
水換え用ポンプ等で低床の中のゴミを吸い取ります。
吸い取った分の水を追加して、ほぼ掃除は終わりです。
フィルターのパイプ部分もコケ等で汚れていたら、取り外して洗いましょう。
底面式の掃除は砂利の方が簡単
ソイルをよりも砂利を敷いている方が、掃除や管理は簡単です。
ソイルは粒が崩れて汚れる原因になりますが、砂利はそういう心配はありません。
特にこだわりが無ければ、砂利の方がいいでしょう。
ソイルも出来なくはないけどレイアウト壊しがち
ソイルを使うということは水草を想定していることが多いと思います。
しかしソイルの間のゴミを掃除するとなると、水草の根ごと掘り起こすような感じになるのでレイアウトしていたら壊してしまいます。
また外部フィルターや外掛けフィルターのようにフィルターを掃除するとなると、底面式は水槽リセットと同じようなことになるので、そこを考えて設置する方が良いです。
底面式フィルターのおすすめ使い方
他のフィルターと接続
+外部式
+外掛け式
+投げ込み式
+上部式
底面式フィルターは他のフィルターと接続することにより、濾過能力をパワーアップさせることが出来ます。
噴き上げ式
噴き上げ式は主に外部式フィルターとの組み合わせで運用します。
外部式フィルターの排水口を底面式フィルターのパイプ部分に接続することで、
底の部分から水が噴き上がるような水流を作ります。
排水が底全体から湧き上がるような形になるので、水流が弱くなることがメリットです。
投げ込み式風にする
これは文字で説明が難しいです。笑
底面式フィルターを仕込んだ小さい水槽を大きい水槽に入れるような感じです。
見た目おもしろい水槽にしたい方はおすすめです。
ろ過能力は中の容器の大きさによると思いますが、
大きくすれば水槽内を圧迫するのでそこは脳内会議で決めてください。笑
おすすめの低床の種類
砂利系のもの(大磯砂など)
ソイル(吸着系のもの)
※目が荒いものが好ましいです。
砂利だとメンテが簡単だから熱帯魚屋に多い?気がしますね。